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8章:辿り着いたサウンドTAD

スピーカー形状の基本原理を探る

形状の選択
平面バッフル形スピーカーの基本原理

平面バッフル場合は背圧がないのでユニットのコーンはスムーズに動作します。
加えて微少信号も再現する利点があります。
音は通常気圧下での圧力の変化を伴う振動として可聴帯域20〜20,000Hzまでとされます。
空気中を伝播する音の早さは1秒に340m/秒進み[気圧・温度が通常場合に限られる]、音速を340m/秒とすると、その1周期は1mとなります。
こうして連続で繰返す1周期の長さを波長といいます。[λ波長=音速v/周波数?]
1Hzの音の波長は340m、10Hzの音の波長は34m、100Hzの音の波長は3.4m.。

試1.

直径1mの平面バッフルの中央にユニットを取り付けて試す。
スピーカーよりリスニングポイントまでの距離を3mとした設定した場合ユニットより前からでる音の進む距離は3mですがユニットの背面から出る音はバッフルの後部より進む距離は3m54pとなります。
リスニングポイントでは54pが1波長となる為、周波数の位相が逆となります。
音速340/m÷波長0.54/m=周波数630Hzの音は打ち消しあって減衰します。さらに54pが半波長となり周波数の315Hzではリスニングポイントでは位相が同じくなり315Hz以下は減衰します。

試2.
長方形バッフル

音源より周辺の距離は一定ではなくさまざまな周波数が減衰されたり増幅されたりする為、バッフル形状または平面の長さを変化させることにより減衰と増幅が重なってフラット
な特性となる。
振動板が前に動くと前面の空気は押され空気密度が上がりその逆の背面は密度が低くなり、その前後振動により密と疎の波が同時に発生する事となります。
互いに逆の位相を発生する音波ともなります。
同時に発生した位相の違う音波は空気により互いに打ち消しあいます。
波長の長い音は低い音ほど空間で打ち消されます。
逆に波長が短かい場合は打ち消されぬくいとされています。
短波長は空気中で残存する率が高いと言う事にもなります。

試3.
振動板位置に板を設け前後に仕切る[バスレフの発展]

逆位相の音波は互いに遮断され、打ち消し合うことがなくなり音波の効率はよくなります。
平面バッフル板の原理はエンクロージャー[箱形]の発展となり、箱内の逆位相音波の理を活用し低音増強をされた直方体エンクロージャーはバスレフ又はロードホーン型と発展となりました。
低音を増強させるとすれば無限大バッフル板となりますが、それは音波がバッフル板の
端から回ってくることなく、打ち消されずに再生できるからです。
しかし原理的に無限大バッフルはその理があるとしても長大な製作は不可能です。
バッフルの大きさにも限界があり再生できる低音にも周波数の限界が生じます。
さらに可能としてもユニットの背面に負荷が生じない為.最低共振周波数f゜の低いユニットに対してパワーが入らなくなります。

本体密閉形エンクロージャーの製作に関して

TADユニットエンクロージャーの設計は密閉型とし、平面バッフル板の強度が不可欠要素、密閉形は平面バッフルの背面が箱によって閉じ込められた形状となります。
スピーカーより出た音波は隔離され、同時に箱の中の空気はスピーカーの振動板に対してバネの働きをします。
このバネの働きが加わりユニットのf゜はスペック[値]より高くなります。
密閉形の場合このf゜の値を効率よく利用した箱とかんがえます。
使用するユニットは最低共振周波数f゜が低くM0値の大きなユニットが適しています。
ユニットの能率を低くせず、通常の密閉箱より大きくし、ユニット値の内容を保持し、程良い低音再生にするために適性な箱を製作することが大事とされる。

側板組
側板組

穴加工測定
穴加工測定

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