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9章.超低域再生に挑む

エンクロージャーの振動解析

物体の音響学における振動解析論を参考に板材の選択をします。
板の振動に関しては板材にねじりや曲げが一時的に加わると、弾性[もとの形に戻ろうとする性質]にて振動が生じます。
板状の振動体は、静止状態より衝撃が加えられたりすると変位が生じ同時に歪みや応力も生じそれらが関係を保ちながら周囲に伝導もします。
弾性限界内に生じるこのような波動を弾性波といいます。
また弾性体の形状や構造によっても固有の弾性波が生じます。
縦波と横波に生じる膨張波における体積変化[立体の大きさ]も考慮すべきかと感じます。
さまざまな速度の波動は圧縮に伴う密度変化が粗密波となり平面的に拡がる波動は変位の方向と同方向に伝播します。このような波を縦波といいます。
進行方向と直角に変位を生じる波を横波といいます。
弾性体の一部に*レイリー波と*ラブ波があり、*レイリー波[表面波]の場合は平面的に伝播するため減衰が少なく、*ラブ波の場合は伝播方向と直角で境界面と平行に振動する横波が表層付近に生じます。
それらによるさまざまな振動を考慮し、板材の選択にも充分な配慮が必要となります。

MID ENCLOSURE
MID ENCLOSURE

HORN ENCLOSURE
HORN ENCLOSURE

WOOFER バッフル板
WOOFER バッフル板

HORN造形
HORN造形

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